今回、ルセットはシンプルに徹し、クラシックな数字を動かさずに作りました。
昔からある、ある意味「淘汰」された、動かしようのない数字です。
そこに、意味があり、それをどう読み解き、手を動かすかで、大きく味に変化がでるルセットでもあります。
誰もが知っていることだから、誰もが同じに作ることができるかというと、実はそうではなく、ルセットの意味をきちんと理解し、
それに必要な技術を身につけつくるからこそ、生まれてくるおいしさというものがあります。
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アトリエをひらいて3年目になりますが、たくさんのお菓子やパンを作れば作るほど、ルセット(数字)は大切だけれど、
それをきちんと表現するには『技術』が必要なのだと、折りにふれ感じます。
2013年度の締めくくりのレッスンは、そういう意味も含めて、凝った数字にはしませんでした。
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そして、古くからあるルセットには、もうひとつの側面も….。
先述の表記と相反するように感じるかもしれませんが、どう作っても、間違いなくおいしい。ということ。
古くからあるルセットは、食文化と深く結びついています。
そうなるべくしてなった数字なので、ちょっとくらい、うまく行かない工程があったとしても、
家庭で召し上がるには、十分おいしく焼き上がってくれる、という懐深さも持ち合わせています。
『Tarte aux Fraises』は、とても見栄えのするタルトですが、フランス菓子にしては、工程が少なく、取り組みやすいお菓子です。
追求すれば、どこまでも切りがありませんが、楽しいんで作ることができる、シンプルなルセットの組合せです。
苺のおいしい季節に、ぜひたくさん作って下さい。
くどくどと長くなりましたが、この1年も、たくさんのお菓子をご紹介できて、とても楽しかったです!
4月からのことは、ちっとも決まっておらず、またギリギリな感じですが(汗、決まり次第、お知らせ致しますね。
お時間が許すようでしたら、またぜひ、アトリエに遊びに来てください。
1年間ありがとうございました。
来年度も、どうぞよろしくおねがい申し上げます。